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公益財団法人 立石科学技術振興財団 第6回立石賞受賞者決定のお知らせ

  • 2020年03月16日
  • 公益財団法人 立石科学技術振興財団

公益財団法人 立石科学技術振興財団(理事長:立石義雄・オムロン株式会社名誉顧問、所在地:京都市下京区)は、このたび、第6回立石賞の受賞者を決定しました。

立石賞は、2010年の立石科学技術振興財団設立20周年を記念して創設した顕彰事業です。賞の授与を隔年で実施しており、今年が第6回目となります。立石賞は功績賞と特別賞の2つで構成しています。功績賞は、過去に財団から研究助成を受け、その後の研究活動において顕著な業績をあげた研究者に対して授与する賞です。また、特別賞は、財団の趣意に沿った日本発の研究・技術開発において顕著な業績を上げた研究者に対して授与する賞です。各賞に対し、賞状、賞碑および賞金(500万円)をもって顕彰します。今年は、公募で受け付けた推薦の中から、当財団選考委員会および理事会にて、以下のとおり、功績賞1名と特別賞1名を選出しました。

立石賞 受賞者一覧

【功績賞】
氏名 横矢 直和(よこや なおかず)
所属機関・職位 奈良先端科学技術大学院大学 学長
授賞表題 時空を超える複合現実メディアへの挑戦~リアルとバーチャルの融合~ 
【特別賞】
氏名 石黒 浩(いしぐろ ひろし)
所属機関・職位 大阪大学大学院基礎工学研究科 教授
授賞表題 人と関わるロボットメディアの研究開発

各授賞理由と受賞者のプロフィールについては「授賞理由と受賞者プロフィール」を参照ください。

立石科学技術振興財団について

当財団は、技術革新と人間重視の両面から真に最適な社会環境の実現に寄与することを目的に、エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進する研究および国際交流に対する助成活動を行っています。故立石一真(当社創業者)および故立石孝雄(当社元代表取締役会長)がそれぞれ保有するオムロン株式会社の株式を拠出し、さらにオムロン株式会社が寄付金を出捐して設立されました。基本財産はオムロン株式会社の株式2,625,000株です。

公益財団法人 立石科学技術振興財団の概要

名称 公益財団法人 立石科学技術振興財団
所在地 京都市下京区油小路通塩小路下ル南不動堂町11番地
設立年月日 平成2年(1990年)3月6日
目的 エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進する研究に関する 活動を支援し、もって技術革新と人間重視の両面から真に最適な社会環境の実現に寄与することを目的とする。
事業内容 エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進するための研究に関する活動を支援する。
(1)研究への助成
・研究助成(S)   3,000万円/3年
・研究助成(A)   250万円以下/件、30件程度/年
・研究助成(B)   500万円以下/件、2件程度/年
・研究助成(C)   50万円以下/件・年(博士課程後期在学中、最長3年)、
          10件程度/年
(2)国際交流への助成
・国際会議発表   40万円以下/件
・短期在外研究   70万円以下/件
          ※合わせて20件程度/年
・国際会議開催   100万円以下/件、10件程度/年
(3)研究成果に対する顕彰
・立石賞 功績賞  2件程度/隔年、副賞500万円/件
・立石賞 特別賞  2件程度/隔年、副賞500万円/件
(4)研究成果の普及
・成果集の発行 1回/年
(5)その他、本財団の目的を達成するために必要な事業
事業年度 毎年4月1日から翌年3月31日まで
事業実績 設立以来2019年度までに累計1,310件、総額24億105万円の助成(立石賞13件含む)
評議員 8名
役員 理事長  立石 義雄(オムロン株式会社 名誉顧問)
常務理事 石原 英
他 理事7名 監事2名
基本財産 オムロン株式会社 株式2,625,000
特定財産 現金11億円

立石賞の概要

  1. 設立の目的
    立石賞は、オムロン株式会社創業者立石一真氏および当財団の初代理事長立石孝雄氏の産業・技術の発展に対する功績および人材の育成に対する貢献を記念して設立しました。

  2. 対象者および賞の種類
    顕彰の対象者は、エレクトロニクスおよび情報工学の分野で、人間と機械の調和を促進し、技術革新と人間重視の視点において顕著な業績をあげた個人で、次のとおりとします。

    (1)過去に本財団の研究助成を受け、顕著な研究業績をあげた者。
    (2)当財団の趣意に沿った日本発の研究・技術で顕著な業績をあげた者。

    (1)に対するものを立石賞功績賞(Tateisi Prize, Achievement Award)と称し、
    (2)に対するものを立石賞特別賞(Tateisi Prize, Grand Award)と称します。

  3. 顕彰
    顕彰は、賞状・賞牌及び賞金(500万円)をもって行います。立石賞は隔年実施とし、1回につき立石賞功績賞2名程度、立石賞特別賞2名程度、合計4名程度への贈呈を予定しております。ただし、該当者がいない年度においては顕彰を実施いたしません。

  4. 第6回立石賞の募集期間
    2019年41日~2019630

授賞理由と受賞者プロフィール

第6回(2020年度)立石賞 功績賞 受賞者
氏名 横矢 直和(よこや なおかず)
所属・職位 奈良先端科学技術大学院大学 学長
授賞表題 時空を超える複合現実メディアへの挑戦~リアルとバーチャルの融合~
受賞者の業績

近年、現実世界と仮想世界を融合した複合現実(Mixed Reality、以下MR)や拡張現実(Augmented Reality、以下AR)という技術は、マスメディアで日常的に紹介されるだけでなく、スマートフォン・アプリとしても身近なものになっている。受賞者は、これら技術の黎明期であった1990年代から当該分野の研究に取り組み、新領域を切り拓いてきた。ARに関しては、主として現実世界と仮想世界の位置合わせという基本問題に取り組み、カメラ映像からの特徴点の実時間検出・追跡に基づくカメラの位置・姿勢推定アルゴリズムを開発し、ARの屋外利用への道を拓いた。また現実世界の仮想化(Augmented Virtuality、以下AV)に関して、遠隔地にあたかも実際に居るかのような感覚を提示するテレプレゼンスについて全方位カメラを用いる方式を世界に先駆けて提案するとともに、ARと組み合わせた拡張テレプレゼンスの概念を提唱した。これらは時空を超える複合現実メディア(タイムマシンと千里眼)実現に向けた挑戦であり、現在の仮想現実市場の隆盛に寄与するものである。これらの技術をもとに、「バーチャル平城京」を開発し、大規模イベントを成功させた。
また、大学という教育研究機関のおいて数多くの修士・博士を輩出し、その多くは大学、民間研究機関や産業界で活躍し、ARMR分野全体の研究開発レベルを引き上げた。なお受賞者は、1994年に当財団から「画像理解のための並列協調型アルゴリズムの研究」の課題で助成をうけ、その成果も本研究活動の充実と発展に寄与した。

専門技術の
概要・説明

1. 拡張現実(AR)技術

(1)マーカーを用いて現実世界の映像とCGの幾何的位置合わせを実現するステレオビデオシースルー型拡張現実感システムの開発
(2)AR
空間への没入の妨げとなるマーカーを視界から消すためのインペインティング技術の開発
(3)
マーカーの代わりにカメラ画像内の自然特徴点を利用したランドマークデータベース照合に基づくカメラ位置・姿勢推定法の開発
(4)(3)
の技術とGPS測位の併用による拡張現実感システムの屋外実利用の実現

2. 拡張仮想感(AV)技術

(1)幾何的特性と光学的特性をあわせ持つ現実物体の3次元モデル生成法の開発
(2)
全方位ビデオ映像から任意視線方向の映像を実時間で生成・提示するテレプレゼンス方式の開発およびプロトタイプシステムを活用した実証
(3)
全方位ビデオ映像にCGや実物体の3次元仮想物体をAR合成した蓄積再生型の拡張テレプレゼンスの概念の提案
(4)
平城宮跡での無人飛行船からの空撮全方位ビデオ映像を用いたプロトタイプシステム「バーチャル平城京」の 開発
(5)
上記システムを活用し平城遷都1300年祭において一般市民に1300年前の平城京を上空から仮想体験する機会を提供

学歴
1974年3月 大阪大学 基礎工学部情報工学科卒業
1979年3月 大阪大学大学院 基礎工学研究科物理系博士後期課程修了、工学博士(大阪大学)
職歴
1979年4月 通商産業省 工業技術院 電子技術総合研究所 研究員
1986年10月 カナダ・マギル大学知能機械研究センター 客員教授
1992年5月 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学センター 教授
1994年9月 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 教授
2013年4月 奈良先端科学技術大学院大学 理事・副学長・情報科学研究科教授
2017年4月 奈良先端科学技術大学院大学 学長(現在に至る)
主な受賞歴
1990年5月 情報処理学会 論文賞
2005年3月 情報処理学会 フェロー
2005年9月 電子情報通信学会 フェロー
2012年3月 日本バーチャルリアリティ学会 フェロー
2012年9月 日本バーチャルリアリティ学会 2012年度論文賞
2016年12月 IAPR (International Association for Pattern Recognition) Fellow
第6回(2020年度)立石賞 特別賞 受賞者
氏名 石黒 浩(いしぐろ ひろし)
所属・職位 大阪大学大学院基礎工学研究科 教授
授賞表題 人と関わるロボットの研究開発
受賞者の業績

受賞者は、コンピュータやスマートフォンに続く、新しい情報メディアとして、人と関わるロボット(通称:コミュニケーションロボット)の研究開発に、世界に先駆けて取り組んできた。人間は、人間を認識し人間と関わるための脳機能を持つ。それ故、人間に似たロボットは、より人間に親和的なメディアになる可能性がある。このことを、受賞者は人間に酷似したロボット(通称:アンドロイド)を始めとした、多様な人と関わるロボットを独自に開発しながら、実社会での実証実験等を通して、技術的、認知科学的に実証してきた。そして、ヒューマンロボットインターラクションと呼ばれる研究領域を創成し、世界の研究を先導してきた。具体的な業績として、2000年に人と関わる機能を備えたロボットらしい見かけを持つ「ロボビー」を開発し、人とロボットの関わりを研究する先駆的な研究として注目された。2005年には、愛知万博で人間をモデルにしたアンドロイドを国内外に発表し、世界的な注目を集めた。そして、2006年には自らのアンドロイドである「ジェミノイド」を発表し、再び世界的な注目を集めた。また、アンドロイド研究を通して得られた知見を基に、人間の見かけとしてのミニマルデザインを持つ、高齢者用対話ロボット「テレノイド」を開発した。このような研究開発の成果により、招待講演はこの5年間で200件を超え、メディア掲載はこの5年間で500件を超える。

専門技術の
概要・説明

受賞者が創設してきた人と関わるロボットの研究は、ヒューマンロボットインターラクションと言われる研究分野である。従来のロボット研究は、マニピュレーションとナビゲーションが中心であったが、受賞者はそこにヒューマンロボットインターラクションという新たな研究分野を創設した。この新しい研究分野では、工学と認知科学を融合させた研究方法を用いる。具体的には、人間に似た身体や感覚を持つロボットを用いながら、人と関わるロボットの機能の開発に取り組むと同時に、その機能を認知科学的方法により評価する。さらにこの新しい分野の研究は、ロボットを用いた新たな科学へと発展してきた。単に人と関わるロボットを開発するだけでなく、人間に似たロボットの開発を通して、人間の性質や機能そのものを理解することができる。特に人間の存在感、身体性、対話、社会性等、従来の科学的な研究だけでは解明が難しい問題を取り扱うことができる。

学歴
1986年3月 山梨大学工学部計算機科学科卒業
1991年3月 大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程物理系専攻修了、工学博士
職歴
1991年4月 山梨大学工学部情報工学科助手
1992年4月 大阪大学基礎工学部システム工学科助手
1994年10月 京都大学大学院工学研究科情報工学専攻助教授
1998年3月 カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員(19993月まで)
1999年10月 国際電気通信基礎技術研究所(ATR)知能映像研究所客員研究員
2001年4月 和歌山大学システム工学部情報通信システム学科教授
2002年10月 大阪大学大学院工学研究科知能機能創成工学専攻教授
ATR知能ロボティクス研究所客員室長
2009年6月 大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻教授(現在に至る)
2011年4月 ATR石黒浩特別研究室客員室長
2014年1月 ATR石黒浩特別研究所客員所長(現在に至る)
主な受賞歴
2010年4月 ATRフェロー
2011年12 大阪文化賞
2013年7 大阪大学 特別教授
2015年4 文部科学大臣表彰 科学技術賞
2015年12 シェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム知識賞
2017年4 大阪大学 栄誉教授
本件に関する報道関係からのお問い合わせ先
公益財団法人 立石科学技術振興財団 
事務局長 麻 潤三(あさ じゅんぞう)
〒600-8234 京都市下京区油小路通塩小路下る南不動堂町11番地
TEL:075-365-4771
https://www.tateisi-f.org/