企業法務の高度人材育成に向けた産学連携プログラム「法学コーオプ演習」を開講 | オムロン
  1. ホーム
  2. ニュースルーム
  3. ニュースリリース - 2005年
  4. 企業法務の高度人材育成に向けた産学連携プログラム「法学コーオプ演習」を開講 ~オムロンと立命館大学が共同実施~

企業法務の高度人材育成に向けた産学連携プログラム「法学コーオプ演習」を開講~オムロンと立命館大学が共同実施~

  • 2005年9月1日
  • オムロン株式会社
    立命館大学

オムロン株式会社(代表取締役社長:作田久男)と、立命館大学(総長:長田豊臣)はこのたび、企業法務において即戦力となり得る高度人材育成に向けた「法学コーオプ演習」を共同で開講しました。9月8日よりオムロンにおいて実習を開始し、本格稼動をいたします。
“コーオプ教育”(Cooperative Education)とは、単なる就業体験(インターンシップ)を越えて、大学と企業が共同で協力しながら作る産学連携教育です。インターンシップが比較的短期間(1週間~1ヶ月程度)の就業体験であるのに対し、コーオプ教育は長期間(3~6ヶ月程度)大学と企業が協力し、大学での学習及び専門分野に関連する企業での実務体験を統合させた教育を行います。これまで法学分野において、単なる就業体験では法学の専門能力を実践的に高めることができないことから、産学連携の前例がほとんどみられませんでした。今回オムロンと立命館大学が共同実施する「法学コーオプ演習」は、法学分野において日本で初めて実施される本格的“コーオプ教育”であり、他社・他大学に先駆けるものです。
本演習では、学内で選抜された法学研究科学生4名が、専任の大学教員およびオムロン法務担当者双方の指導を受けながら課題(※注)について調査研究(実習)を実施します。約4ヶ月にわたり実習を行い期間終了後、成果について発表(および報告書作成)するまでを計画しています。(※「法学コーオプ演習」プログラム概要参照)

オムロンは、今回、「法学コーオプ演習」開講提案を立命館大学から受け、産学連携で企業法務人材を早期育成していく趣旨が、当社企業理念に沿った社会貢献活動とマッチすることから賛同し、全面的に協力することを決めました。また、企業において法務部門が果たす役割が拡大し、企業法務担当者の早期育成が重要課題となっている中、当社が先行して産学連携の成功事例を提示することで、同様の動きが促進されることを期待します。

立命館大学においては、2005年度より単位認定を行わない、正課外のものとして位置付けた学習プログラム“コーオプ演習“を導入しました。これは文部科学省「派遣型高度人材育成協同プラン」に採択され、2006年度からは、全学で産学連携の“コーオプ演習”を正課で実施する計画をしています。今回の「法学コーオプ演習」は、“コーオプ演習”を正課で位置づけるものであり、全学実施の先駆けとして実施します。
また法学研究科では、1990年代に入ってから、高度専門職業人の養成に力を入れており、弁護士、司法書士、税理士等の専門家も多く生み出してきました。2004年より、企業法務の即戦力となる人材の育成を1つの柱として、「ビジネス・ロー・コース」を開設しました。今回の「法学コーオプ演習」は、その企業法務人材育成策の一環として、産学連携で行うことを目的としています。

(※注) 今回の演習では、主に新会社法に基づく定款プラン作成などの実務対応

日本における企業法務担当者育成環境の変化

法務担当者の育成は、各社がその採用後に多くの時間と労力をかけて独自に進めてきました。その理由として、法務部門の役割や守備範囲は、その出自が文書課系か監査・企画室系かによって大きく異なり、各社それぞれの経営方針や事業戦略等と密接に絡み合うことで、法務部門の職務内容が会社によって異なるからです。
もとより法学部の教育プログラムの多くは、法律知識の習得に主眼が置かれており、基礎(入口)から順に学ぶ構成となっています。しかしながら実際の企業法務では、営業分野などから提示される課題の解決や経営上の目標を達成するという出口に辿り着くために、いかに法律を活用するかの知恵が求められます。
法的知識の習得という法学部での教育と企業法務での実践との間では、大きなギャップがあり、このギャップを埋める人材育成は、これまで企業法務部門でのOJT(On The Job Training)がその役割を果たしていました。しかしその役割や成果を社外に訴求することがなかったため、一般的に認知されていません。
国際競争が熾烈化し、また企業の社会的責任への期待が高まる中で、法務部門が果たすべき役割はますます拡大しています。同時に各社とも本社機能のスリム化によって法務担当者が少数精鋭で運営せざるを得ず、即戦力の人材が求められる今、どのように早期育成するかが重要課題の1つとなっています。

立命館大学法学研究科「ビジネス・ロー・コース」

立命館大学法学研究科の「ビジネス・ロー・コース」には、「国際ビジネス法プログラム」と「租税・特許法務プログラム」というパッケージを院生に提示し、高度な専門職業人として活動できる実践的な法的知識と能力の涵養を目指しています。これは、企業法務の人材育成環境の変化に対して、大学として一つの解答を提示しようとするものです。 
 「ビジネス・ロー・コース」の目的達成のためには、大学での学びの成果を現場で検証し発展させるための「法務実習」は重要な位置付けにあります。「租税・特許法務プログラム」では、税理士事務所等での実習は、学生の問題意識も比較的明確で、実習内容も比較的定型化されてきています。
しかし、「国際ビジネス法プログラム」においては、民間企業での実習については、そもそも受け入れ先の開拓が難しいためその絶対数が少なく、期間も短いため、大学での学びを実践で検証するという点では、必ずしも十分とはいえない状況にありました。今回、企業法務での人材育成プログラム・情報の共有化メソッドが充実しているオムロンとの提携により、この状況を変え、企業法務を担う人材の育成をさらに実質化することができると確信しています。その点で本演習は、学びの質を飛躍的に高めることができるものと考えています。

オムロン法務部門におけるインターンシップ対応

オムロンの法務部門では、毎年数名のインターンシップを受け入れていますが、これまでにその中から採用した実績はほとんどありません。なぜなら、国際競争の進展に伴って米・欧・中にも法務拠点を持ち、グローバルでのコンプライアンス推進やM&A、事業再編等の戦略法務のウェートが高まる中で、法学知識を学んだだけの学生にとって2週間という短期間での課題解決は現実的に困難であり、就業体験の域を出ないからです。
結果として、法学部での教育と企業法務の実務との間のギャップが埋められないまま、インターンシップが運用されてきました。
一方、オムロンでは法務担当者が本社のほかに社内事業カンパニーに分散しており、OJTが困難であるため、計画的な育成プラン作りに努めています。また他社に先駆けて、契約書式、法務業務のマニュアル整備などの情報武装化を進め、企業法務に関するノウハウの蓄積に積極的に取り組んできているため、長期にわたるインターンシップの受け入れについても、研究課題を具体的に絞り込むことによって対応可能と判断しました。
今回の「法学コーオプ演習」も十分な準備のもとで受け入れを行い、最終的に大きな成果を期待します。

【オムロン・立命館大学による産学連携プログラム「法学コーオプ演習」概要】
  1. 科目名 「法学コーオプ演習」
  2. 対象 法学研究科ビジネス・ロー・コース所属の前期課程1回生
  3. 単位認定 4単位 (専任教員の成績評価に基づき単位認定)
  4. 日程
    (1)募集選考 (※注)
    • 4月 「企業法務」レクチャー(オムロン) 受講者(学部生を含む)70名
    • 5月 課題レポートの評価をもとに、受講者4名を決定(立命大)

    (2)事前演習
    • 6月 「株主総会実務」レクチャー(オムロン)
      定時株主総会を見学(オムロン)
    • 7月 「新会社法」レクチャー(立命大)
    • 8月 ケースによる問題解決型演習(立命大)
      「契約法」レクチャー・会社法勉強会(オムロン)

    (3)コーオプ実習開始
    • 9月8日~22日 各人に課題設定
      課題解決を中心とした実習(オムロン)
    • 9月26日~12月 新会社法に基づく定款プラン作成などの実務対応
      (立命大、オムロン)
      週1回 オムロンで課題提示とアウトプット検証
      週1回 立命大で研究・指導
    • このほか、全学の他のコーオプ演習とともに
      10月1日「企画立案研修」
      11月13日「プレゼン研修」

    (4)総括
    • 12月末 成果発表(立命大、オムロン)
    • 2006年1月 報告書提出(立命大)

(※注)専門性の高い実務課題に取り組むため、その要請に耐え得る素養を持った学生の見極めが重要であるとの認識により選抜を実施しました。

詳細お問い合わせ先
オムロン株式会社
広報部長 生越多惠子(担当 戸田)
TEl : 075-344-7175