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フォトマイクロセンサの基礎知識

使用上の注意 - フォト・マイクロセンサの基礎知識

使用上の注意

フォト・マイクロセンサを使用するにあたり、実際どのようなことを注意する必要があるか説明します。

透過形 (フォトインタラプタ)

フォト・トランジスタ出力形

透過形フォト・マイクロセンサで、とくに注意しなければならないのは、以下を検出する場合です。

  • 透過率の高い物体 (例:紙、フィルム、プラスチックなど)
  • 発光・受光面の形状・寸法よりも小さい物体

これらはいずれも、LED光を物体でしゃ光しても受光素子には何割かの光が入光し、その結果、受光素子の出力にいくらかの電流が流れてしまう例です。したがってこのような物体の検出においては、物体があるときとないときの受光素子の光電流ILがどれくらいになるかを測定し、これらの比がどれくらいになるかを算出した上で、フォト・マイクロセンサが使用できるか否かを決定しなければなりません。

物体があるときの光電流をIL(N)、物体がないときの光電流をIL(S)としますと、S/N比 (信号/雑音) 比は、以下で求められます。

S/N=IL(S)/IL(N)

フォト・マイクロセンサの光電流ILには、温度による変化や経年的な変化などがありますので、S/N比<~4程度の場合、使用回路は十分注意をはらうことが必要です。
また、フォト・マイクロセンサの光電流ILには「バラツキ」があるため、S/N比に比べ「バラツキ」の範囲が大きいときは、固定抵抗での使用は不可能なため、図1のように可変抵抗VRを使用し1台ごとに調整することが必要です。

図1. 感度調整例
感度調整例

なお、検出物体が小さいときも同様の考え方をしますが、実際は発光・受光面の大きさに依存することになるため、できるだけ発光・受光面の形状寸法の小さいものをご使用ください。
具体的には、発光面・受光面にスリットを設けて使用することになりますが、発光面・受光面に図2のようにスリットをつけますと、光電流ILが低下するためご注意ください。

なおスリットは発光面・受光面ともにつけることが望ましく、受光面だけにつけた場合、検出する物体が発光面側を通過するようなとき、トラブルを発生することがあるため注意してください。

図2. スリット (例)
スリット (例)

なお、以上のような特殊物体 (検出) の他、回路処理についても、注意していただくことがあります。
これは検出物体の運動に「ブレ」がある場合、移動速度がきわめて遅い場合、物体のエッジ (端) 面での反射率が高い場合などによくおこる現象で、このような場合、フォト・マイクロセンサの出力波形に図3のようなチャタリング (をした) 波形を生じることがあることです。

図3. 出力波形のチャタリング
出力波形のチャタリング

このような波形をカウンタなどに入れますと誤カウントしたり、あるいはシステムとしての理論が得られないというような問題がおこるため、図4のようにコンデンサC (0.01~0.02μF程度) を入れたり、図5のようにシュミット・トリガ回路を設けたりしてください。

図4. チャタリング防止法 (1)
チャタリング防止法 (1) コンデンサC (0.01~0.02μF程度) を挿入
図5. チャタリング防止法 (2)
チャタリング防止法 (2) シュミット・トリガ回路を設ける

反射形 (フォトリフレクタ)

フォト・トランジスタ出力形

反射形フォト・マイクロセンサで注意する点は、以下の3つです。

  • 外乱光
  • 背景の状態
  • 出力レベルの把握

まず、反射形フォト・マイクロセンサは、構造上、図6のように受光素子が外界に向かって組み込まれていますので、外乱光の影響を非常にうけやすくなっていることです。

図6. 反射形フォト・マイクロセンサの構造
反射形フォト・マイクロセンサの構造

オムロンの反射形フォト・マイクロセンサはある波長以下の光をしゃ断するようなフィルタを設け、できる限り外乱光の影響を避けるようにしていますが、完全ではありません (図7にフィルタのしゃ断特性例を示します)。
したがってできる限り外乱光が入らないように設置していただく配慮が必要です。

図7. フィルタのしゃ断特性例 (代表例)
フィルタのしゃ断特性例 (代表例)

つぎに背景の状態について説明します。
ここでは、理想的な条件の1つとして周囲は暗黒状態であるとしておきます。

図8は検出物があるときとないときの検出状態を示した図です。この図からおわかりいただけるように、検出物体がなくとも、背景物体の影響でフォト・マイクロセンサのLED光が受光素子に反射して入るということです。したがってこのような場合も、先と同じようにS/N比という考え方をしますと、S/N比が低下することとなります。

図8. 背景の物体による影響
背景の物体による影響

例としては、ステンレスや亜鉛メッキのフレームの上を紙が通過し、その紙の通過を検出するような場合があげられますが、場合によっては、紙検出時の光電流IL(S)よりも紙のないときの光電流IL(N)の方が大きくなることもあります。

機構上どうしても背景に物を設置しなければならないときは、図9のように背景物体の一部分をくり抜くなどの対策が必要です。この場合の寸法は、センサ表面の寸法以上としてください。
また黒のつや消し塗装を施したり、表面を荒らしてやることも対策方法の1つです。

なお背景物体の影響は、誤動作の要因として多く見受けられますので必ず確認をとるようにしてください。

図9. 対策例
対策例 : 背景物体の一部分をくり抜く

では、つぎに出力レベルについて考えましょう。
透過形フォト・マイクロセンサの出力 (光電流IL) と大きく異なるのは、検出物体の種類や距離、大きさにより光電流ILが大きく変化することです。

透過形フォト・マイクロセンサの場合は、溝中に物体がないときの状態での出力を光電流ILとしているため簡単明瞭に考えられますが、反射形フォト・マイクロセンサの場合は、当社標準物体・距離における出力を光電流ILとしていますので、当社標準物体・距離と異なるときはこの光電流ILの値が大きく異なってしまいます。

図10は、形EE-SF5(-B)の検出物体と検出距離を変化させたときの出力がどのように変わるかを表わしたものです。
もし実際の検出物体がこのグラフで紹介される範中のものであれば、当社標準物体1との比は把握することができますが、これ以外のものでしたら、実際にどれ位の光電流が得られるのか測定するしかありません。

図10. 検出特性例 (形EE-SF5)
検出特性例(形EE-SF5)

この測定はフォト・マイクロセンサを実使用状態と同じように設定し、図11のようにして物体がある時とない時の電流を測ることになります。

当然のことながら、図11のようにして求めた電流よりS/N比を算出し、使用できるか否かを検証していくことになりますが、さらにもう1つ注意する事項があります。これは、反射形フォト・マイクロセンサの光電流は、物体を検出しているときでも数十μA~数百μA程度の電流レベルしか得られませんので、S/N比のS (信号) の絶対値レベル自体が低いということを認識することにあります。

図11. 感度調整例
感度調整例

このことは周囲が暗黒であっても、暗電流IDや漏れ電流ILEAKが流れ、これらが温度上昇で数μA~10数μA (設計編 II : 表3) に達することがあり、この絶対値レベル (N:雑音レベル) が、先のS (信号) レベルに対し無視できないこととなります。これらの理由で、反射率の低い物体は、極端にS/N比が小さくなるため注意が必要です。

その他、反射形フォト・マイクロセンサで注意しなければならない使用例としては、以下があります。
これらも先と同様の検討をするしかありません。

  • マーク検出 (例:白地上の黒マークの検出)
  • 小さな物体の検出 など

以上述べましたように、反射形フォト・マイクロセンサはその使用にかなりむずかしい面が多々ありますので十分ご注意のうえご使用いただきますようお願いいたします。

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