未来を生きる人のために

世界はすさまじい勢いで変化しています。地球が直面する課題が刻々と変わる一方で、
AI/IoT/ロボティクスといった技術革新が世界中で起きています。

社会的課題が深刻化する

  • 労働力の不足/作り方の変化
  • 高齢化の加速/医療費の高騰
  • 事故・渋滞の多発/都市環境の悪化
  • 温暖化の加速

技術革新が課題解決の鍵

オムロンは、自らイノベーションを起こし、社会的課題を解決して
未来の人々に、よりよい社会を渡すため、新たな時代の中期経営計画を策定しました。

CEO、CTOが語る"オムロンが起こすイノベーション"

皆さん、こんにちは、社長の山田でございます。
本日は、お忙しいところ、弊社の新中期経営計画説明会に
お集まり頂き、誠にありがとうございます。

また、平素は私どもオムロンが、特に広報が皆様に大変お世話に
なっております。
この場をかりて厚く御礼申し上げます。

新しい中期経営計画についてお話しする前に、
改めてオムロンについて、紹介させていただきます。

オムロンの創業者は、ベンチャー企業人の草分けの一人、立石一真です。

933年、ここ大阪の地で「立石電機製作所」として創業し、
レントゲン写真撮影用タイマーの製造を開始しました。

現在のオムロンは京都企業として広く認知していただいていますが、
実は、大阪の町工場としてスタートしました。

オムロンの発展の原動力となったのが、
創業者が1959年につくった会社の憲法である「社憲」です。

「われわれの働きで われわれの生活を向上し よりよい社会をつくりましょう」

この精神は、現在も「私たちの使命」として受け継がれ、
オムロンは企業理念を軸とした経営基盤を築いてきました。

オムロンはこの理念に基づいて、社会が求めていること、ニーズを
捉えて、世に先駆ける商品を次々と開発してきました。

例えば、皆さんもご存知の「交通管制システム」や、銀行の
「オンライン・キャッシュ・ディスペンサー」、「ATM」、
そして駅の「自動改札機」などが、その一例です。

オムロンは、ベンチャー精神のもと、多くの世界初、日本初となる
世界の発展に貢献するイノベーションを創出してきました。

これらのイノベーションを可能にしたのが、オムロンのコア技術
「センシング&コントロール+Think」です。

「センシング&コントロール+Think」技術とは、現場から必要な
情報を 取り出すセンシング技術、蓄積した現場データや人の知見を
用いて 分析するThink、そしてこの情報をもとに現場に
ソリューションを  提供するコントロールを表しています。

オムロンは、「センシング&コントロール+Think」技術を軸に
現場起点で商品/サービスを展開しています。

「センシング&コントロール+Think」 を軸に、事業を通じた社会の発展に取り組んできた結果、
現在、オムロンは、「制御機器」、電子部品」、 「車載部品」、「社会システム」、
「ヘルスケア」、「環境事業」といった幅広い事業を有した企業となりました。

当社の特徴は、市場シェアNo.1の事業を多く保有していることにあります。
例えば、制御機器事業では日本国内で市場シェア 40%、
電子部品事業では、主力のリレーでグローバルシェア 20%など、
市場シェアの高い商品を多く有しています。
また、家庭用血圧計のグローバルマーケットは、
年間約4,000万台です。 その内、オムロン商品は 2,000万台を
占めており、グローバルシェア 50%と、圧倒的No.1です。

そして、これらの事業を、世界117カ国で展開しております。

全世界の従業員数は、約36000人です。うち7割が日本人以外の
従業員で構成されており、海外での売上比率も約6割にまで
拡大しています。

現在、我々が事業を展開している領域は、AI・IoT・ロボティクス
などに代表される急速な技術革新により、市場や環境が大きく
変化しようとしています。

この変化は、制御機器、ヘルスケア、車載事業といった成長領域で
事業を展開しているオムロンにとって、新たな価値を創造する
大きなチャンスです。

このチャンスをとらえ、飛躍的な成長を目指すのが、
新中期経営計画「VG2.0」です。

「VG2.0」では、「質量兼備の地球価値創造企業」になることを目指します。

定量的な目標は、2020年度、売上高1兆円以上、営業利益1,000億円以上を目指します。

特に、売上総利益率、GP率の向上に更に拘り、41%以上を目標に
稼ぐ力を引き上げます。

ここで少し、GP率について詳しく説明します。
こちらは、主に国内電機企業とのGP率の比較表です。

ご覧のように、オムロンは電機業界の中でも、高いGP率を
誇っています。

我々は2020年に向け、高いGP率、すなわち、稼ぐ力を
上げ続けながら、将来への投資を積極的に行うことで、将来の成長をより確かなものに
していきます。

次に、このゴールを達成するための重点施策について説明します。

まず、ドメイン戦略です。「VG2.0」では、オムロンの強みを発揮し、
事業の成長が見込める4つのドメイン、
「ファクトリーオートメーション」「ヘルスケア」「モビリティ」「エネルギーマネージメント」
この4つに全社のリソースを集中し、業績を伸ばしていきます。

本日は、特に全社の成長を牽引する
「ファクトリーオートメーション」と「ヘルケア」における具体的な取り組みを紹介します。

はじめに、「ファクトリーオートメーション」です。

今、世界中のモノづくり現場に大きな変化が起きています。  
例えば、皆さんがお持ちのスマートフォンは高機能化し、デザインの
多様化や高品質化が進んでいます。 それに伴い、組み付けの
高精度化の要求や、生産性の向上など、様々な課題を解決しながら、
生産ラインを短期間で立ち上げ、大量生産することが求められています。

また、グローバルに地産地消が進展する中、生産技術人財の不足や
人件費の高騰が課題となり、作業者のスキルを向上し適切に設備を
稼働させて、世界共通の品質を確保することが難しくなっています。

こうした変化の中、新たな自動化ニーズが高まってます。

このように、様々な課題を抱えるモノづくり現場に対し、オムロンは
革新的なオートメーションで新たな価値を提供します。

生産ラインを動かすには、センサーなどに代表されるInput、
これらの情報をもとに、機器を制御するコントローラなどのLogic、
コントローラからの指示により装置を駆動させるモーターなどのOutput、
そして、部品の組み付けなどを行うRobotと、製造現場の
安全を確保するSafety。 つまり、これらの頭文字をとった「ILOR+S」すべてが必要不可欠です。 
オムロンは、これら「ILOR+S」の全てを持っている、業界唯一のメーカーです。 
こちらの比較表をご覧ください。

オムロンは、この「ILOR+S」の幅広い機器の提供だけでなく、
これらの機器を強烈に摺りあわせ、高度な制御を簡単に実現できる
アプリケーション・ソフトとセットで提供します。  
これがオムロンの特長であり強みです。

例えば、今まではロボットと生産ライン全体の制御はそれぞれ別々の
コントローラでやっていました。 つまり、頭脳が2つあったのです。
このため、ロボットとマシン制御を同期させることが至難の業でした。
しかしオムロンはロボットを含む「ILOR+S」すべてを、世界最速
のコントローラ1台でシームレスにつなぎ、機器類を高速・高精度に
動かす最強のチューニングが、容易に実現できます。
これにより、お客様の事業効率を飛躍的に高めています。

オムロンは、こうした10万点以上におよぶILOR+Sの幅広い品揃えと
独自の制御アプリケーション・ソフトを武器に、モノづくり現場に新たな価値を提供して
まいります。

このオムロンが提供する新たなイノベーションのコンセプトが
「i-Automation」です。
「i-Automation」とは、どのようなものか、簡単にまとめた映像を用意しましたので、
ご覧ください。
<i-Automation動画再生~終了>
皆さんいかがでしたでしょうか?
ここで今ご覧いただいた動画の中から、一部抜粋しまして、もう少し詳しくご説明します。
こちらをご覧ください。
<「高速同軸制御」動画再生>
こちらの左上の動画は、ペットボトルのキャップを締める工程で、
オムロンのi-Automationが実際に採用されている事例です。
高速で回転するボトルに対し、さらにキャップを高速に回転させて、
締め付けております。
この工程では、以前はしっかりとキャップを締めつけるために、
スピードを落とす必要がありましたが、今ではオムロンのi-Automationにより、
大幅なスピードアップを実現させ、生産性が飛躍的に向上しています。
これを実現している技術が右下の動画にあります、高速同軸制御です。
ご覧のように、高速で回転する2つの軸がぶつかることなく、完全に同期しております。
これは、先ほどご説明した、センサ、コントローラ、モーターといった、
幅広い機器とアプリケーションソフトをセットで提供することにより実現させている
オムロンにしかできない技術です。 

 

次に、「ヘルスケア」における具体的な取り組みを紹介します。

ヘルスケア領域では、「循環器疾患」「呼吸器疾患」
「ペインマネジメント」の3つの社会的課題の解決に取り組みます。
どのような課題があるのかをご説明します。

循環器疾患では現在、世界の高血圧人口は 10億人と言われています。
また、高血圧によって発症する脳卒中や心筋梗塞などの患者数は
約1,750万人と言われており、その治療に費やされる
循環器疾患医療費は、120兆円という推計もあります。

呼吸器疾患では、世界の呼吸器疾患患者数は4億人を上回り、
医療費は主要国だけで19兆円です。中でも新興国における
喘息患者の受診率が低いのが実態です。大気汚染の深刻な中国では、
推定患者数 2,000万人の 5%程度しか治療を受けていないと
報告されています。
これが何を意味するかと言うと、中国やインドなど新興国で
大気汚染が進み、また受診率が上昇すると呼吸器疾患の患者数が
増え、医療費が増大が加速するということです 

最後にペインマネジメントです。高齢化が進む中、腰や関節などの
慢性痛に悩んでおられる患者が増加しています。
我々は、これらの課題解決に取り組むことで事業を成長させます。

そのための戦略のひとつが、コアカテゴリーである「血圧計」「ネブライザ」
「ペインマネジメント」の最強化です。

「家庭血圧計」、「ネブライザ」、そしてペインマネジメンを実現
する機器のひとつである「低周波治療器」の品質と価値を高めます。

これらは既にNo.1シェアを獲得していますが、その価値をお客様に
伝える力・届ける力を強化することにより、圧倒的なシェアNo.1を2020年までに実現します。

ヘルスケアの稼ぎ頭である血圧計は、ユーザビリティを大きく向上
させた新商品を開発します。そして急速に拡大する中国の
オンラインチャネルや、インドをはじめとする巨大な潜在市場に
新商品を投入することでシェアをさらに高め、世界シェア 55%以上を目指します。

ネブライザは、特に小児喘息の領域で新商品を投入します。  
市場が拡大する中国、インドや、南米および欧州での売上を拡大し、
世界シェア 40%以上を目指します。

低周波治療器は、日米でのマーケティング活動を強化すると同時に、
革新的デバイスの開発を進め、売上の拡大につなげることで
圧倒的シェアNo.1を目指してまいります。

2つ目は、健康寿命の延伸に向けて取り組んでいる
「脳・心血管イベントゼロ」についてです。  

「脳・心血管イベント」とは、脳卒中、心筋梗塞などに代表される
病気の発症をさします。

高血圧患者の方にとって重要なことは、血圧が高いことで
引き起こされる脳卒中や心筋梗塞などの発作を防ぐことです。  
高血圧が長く続くと動脈硬化を引き起こし、「心疾患」や
「脳血管疾患」といった、命にかかわる病気を誘引します。  
また、心疾患・脳血管疾患は、死に直結しなくても、寝たきりや
言語障害などを引き起こし、患者はもちろん、介護する家族に
とっても大きな負担となり患者や家族のQOL(Quality of Life)を
著しく低下させてしまいます。  

だからこそ、発症を未然に防ぐ「脳・心血管イベントゼロ」の取組みに注力し、
健康寿命を長く保つことに挑戦します。

つまり、高血圧でも発作を起こさないことが大事なのです。

オムロンでは、「脳・心血管イベント」を予防する事業を創出することで、
これらの課題の解決に取り組んでまいります。

具体的には、現在開発中のこちらのウェアラブル血圧計などにより、
計測した血圧値など、様々なバイタルデータを 収集できるように
します。 そして、収集したデータをAI技術を用いて解析し、
診断・予防・治療の支援を行えるサービスを医師に提供します。 
これにより不幸なイベントの未然防止を目指します。

我々はこのウェアラブル血圧計を2018年度に北米を皮切りに発売していく計画です。 
これがその、ウェアラブル血圧計です。 
世界初のFDA準拠の医療機器としての測定精度を持っています。

そして我々は、このデータを用いた診断・予防・治療支援を行える
新たなソリューションを提供するビジネスモデルの構築を目指します。

この鍵となるのが、今年3月に発表した米国のベンチャー企業
アライブコア社との資本提携および業務提携です。
アライブコア社は世界初となる、FDA認可を取得した、心房細動の
診断ができるモバイル心電計を保有しています。 心房細動とは、
脳梗塞を引き起こす血栓を生成する危険な不整脈です。

彼らの強みは、このモバイル心電計に加えて、心疾患専門医と患者
向けに心電解析のサービスプラットフォームを持っていることです。

今後、我々がもつウェアラブル血圧計技術と、アライブコア社の持つ心電計測技術を融合させた、
新しいウェアラブル心電・血圧計を開発します。 そして、心電データと血圧データを用いた、
新たなサービスプラットフォームの開発もすすめていきます。 このようなデバイス、
そしてサービスプラットフォームは、どこも実現できていません。
我々が世界初となるべくビジネスモデルを進化させていきます。

以上が、「ファクトリーオートメーション」と「ヘルスケア」における取り組みの具体例です。

本日ご紹介したような事業の成長には、その原動力となる革新的な技術が必要です。 

我々は2020年に向けて、事業の成長を支えるオムロンのコア技術
「センシング&コントロール+Think」を徹底的に磨き込みます。

「センシング&コントロール+Think」の革新がなぜ大きなビジネスチャンスにつながるのか、
これより具体的にCTOの宮田より説明します。

改めまして、CTOの宮田です。

山田より紹介のありました、オムロンのコア技術
「センシング & コントロール+Think」が、なぜオムロンのコア技術なのか?
そしてAI全盛の今、このコア技術を磨き続けるとはいったいどういうことなのか?
について、私からお話しします。

オムロンは、創業者 立石一真の企業哲学「機械にできることは機械に任せ、
人間はより創造的な分野で活動を楽しむべきである」を大切にし、創業以来、
人が中心にいるオートメーションを提供することで
よりより社会づくりに貢献する商品を開発してきました。

「人と機械の関係」を意識した技術を開発し、社会的課題を解決する。 
これは、オムロンのDNAとなっています。

世間は今、第3次AIブームとも言われるように、ディープラーニング等の革新的技術の登場で、
大きく変化しようとしています。

IoTやロボティクスの進化とも呼応して、機械がますます
高度化し、従来は人にしかできなかった領域も機械でかなりの部分ができるようになってきました。

例えば、飛行機では高度な自動運転技術が すでに実用化されています。
自動車でも、昨今は自動ブレーキが標準装備となり自動運転の開発
競争も過熱しています。  他にもAIを活用した接客や簡単な診察など、一昔前に比べると、
いわゆる「人と機械の関係」というのは相当変わってきています。

しかし、最後の大事なところ、複雑なところは人が担当しているのが実態です。
オムロンは、機械に出来ることが増えても、人が介在する部分が残ると考えています。

「人と機械の関係」についてご説明します。「人と機械の関係」とは、
すなわち、技術革新による「機械にできること」の変化を表しています。   

機械があまり高度でない時代は、人の苦痛や苦労を肩代わりする「代替」の関係でした。
昨今は、AIなどの技術進化により人の知能的な部分を機会が担いうことで
「人と機械が協働する」の関係になってきています。 
今後、人と機械の得意領域の組み合わせで、ますます生産性や安全性は高まるでしょう。
オムロンは、さらにその先に「協働」から「融和」の世界の実現を描いています。

「融和」とは、機械が人の能力や可能性を引き出すことで、人のトータルパフォーマンスが
大きくなるとともに、人が喜びや楽しみを感じられるようになる。
乗馬の世界ではよく「人馬一体」という言葉が使われます。機械を馬と見立てたとき、
「代替」の場合は単なる移動手段、「協働」の場合は馬を乗りこなしてより速く走ることができ、
「融和」の場合は思い通りに操れる喜びや楽しさがプラスされます。

オムロンでは、人を中心とした「人と機械の関係」を革新していく技術に取り組んでいます。 

人と機械の「協働」において、キーとなる技術は、「人」や「もの」「機械」の
さまざまな状態を把握するセンシング技術です。

正しい状態の把握があって初めて、「正しい判断」と「適切な行動」が行えるのは、
人も機械も違いはありません。

オムロンは、さまざまな状態を正しく把握できる優れたセンシング技術を数多く保有しています。

今日は、ものづくりと医療の現場で「人と機械の協働」を実現する
「オムロンの優れたセンシング技術」を2つ紹介します。

ものづくり現場では、これまでベテランの経験や勘でしか知ることのできなかった、
「機械のいつもと違う動き」を、優れたセンシング技術とAIを搭載した
コントローラーの組み合わせで検知できるようになりました。

右の画像をご覧ください。これはある製造装置のベルト部分を拡大した映像です。  
AIを搭載したコントローラーは、各機器の動作状況やセンサーからの情報を
常にモニタリングして正常な状態を学習します。
このグレーの点が各センサーからの情報をプロットしたものです。  

< 動画を動かす。映像の説明 >
青色でプロットされているときはベルトが「いつもの動き」をしているとき、
赤色でプロットされているときはベルトが「いつもと違う動き」をしているときです。

このように、正確なセンシングデータをコントローラーがデータを分析することで、
「機械のいつもと違う動き」を検知し、人はその情報に基づいてメンテナンスや
生産改善を行います。

医療の現場でも、今まで簡単に取れなかった「連続血圧」と「心電」のデータを、
手首だけで1拍ごとの血圧を連続で測定する技術と
モバイル心電計で測定することができるようになりました。

私たちの心臓は 1日に10万回程度拍動し、血圧は1拍ごとに様々な要因で変動します。
オムロンは、手首だけで1拍ごとの血圧を連続して測定する技術を開発しました。

また従来、心電を測るためには、心臓の近くに測定用の電極を当てる必要があり、
気軽に測定できませんでした。アライブコア社のモバイル心電計は、
指先を機器に触れるだけで、心電を計測できる優れたセンシング技術を搭載しています。

この2つの新たなセンシング技術を組み合わせることで、人の循環器システム全ての不具合を
測定することができるようなります。そして、そのデータを解析した情報をもとに、
医師はより多くの患者に適切な診断やアドバイスを提供できるようになります。

人と機械が「協働」していくためには、センシングで必要なデータを取得することが
重要であることをお伝えしました。  

オムロンのコア技術「センシング&コントロール+Think」は、
センシングでデータを取得し、意味を持たせて、フィードバックするという構成であり、
重要なのは「現場」です。我々が事業を行う「ファクトリーオートメーション」
「ヘルスケア」「モビリティ」でも、この刻一刻と変化する「現場」の状況をとらえて、
現場ならではの知見をベースに適切な出力をするということが何よりも大切になってきます。

これは、センサーと制御とAI技術を単に集めればできる話ではありません。
「人と機械の関係」を革新し、「融和」の世界を実現していくには、
各技術の進化を取り込むのはもちろんのこと、
これらを高度に統合して現場課題の解決に最適な技術を作りこむことが重要です。

オムロンが要素技術を高度に統合している例を弊社の卓球ロボットを通じ紹介します。
こちらの映像をご覧ください。

映像

卓球ロボットはオムロンの技術を紹介するために、
「楽しみながら卓球が上達できるロボット」として開発を
続けています。 人が打ったボールをロボットが打ち返すという
非常にシンプルなもので、特別な部品を使っている訳ではなく、
弊社のファクトリーオートメーション用商品を中心に市販のものを組み合わせたものです。

ボールの3次元位置と速度を正確に計測する「センシング」、
最適な返球位置を計画する「Think」、ロボットを正確に動かす「コントロール」の要素が
このロボットには、組み込まれています。

卓球ロボットの上部に設置された2つのカメラは、毎秒80回、ボールの位置と速度を計測します。
ボールをラケットで打ち返すには計測精度も重要です。 
わずか10mmの誤差での計測を実現しています。

ボールの位置情報は、ファクトリーオートメーション用
コントローラーに送られ、ボールの空力学特性も加味して軌道を
予測します。この予測値と実測値を照らし合わせながら誤差を詰めていきます。

人が打ちやすい位置に返球するためにロボットはラケットを
動かしますが、その経路はモーターやメカ機構に負荷を与えない
範囲での最短経路が自動計算されます。

最短経路の自動計算と同時にラケットの位置と角度を実現する5つのモーターの回転数と
パワーも計算され、この数値を1/1000秒周期でモータードライバに送り、計算した位置と
向きにロボットがラケットを動かします。

ボールの位置計測と軌道予測、ラケットの経路計算は、ロボットを
動かしながら同時に行います。 この「動かしながら」というのが
ポイントです。 たとえばボールの軌道は、その日の気圧や湿度などに影響を受け、
予測した軌道から微妙にズレていきます。このボールの微妙な動きのズレにロボットの動き
を合わせ、ラケットにボールを正確に当てて、
打ち返すということを実現しなければなりません。これが非常に難しいのです。

また、ロボットがラケットをスイングすると、大きな揺れが起こります。 
この揺れも返球の精度に影響を与えます。 
揺れを抑えるために、ロボットがスイングし終わる直前にモーター駆動を少し弱めて振動を
吸収しながら止まる制振制御という技術を入れています。

これをものづくり現場のロボットに置き換えると、動くもの、すなわちベルトコンベアで
流れていたり、積んでいるものが崩れてもピッキングできるということになります。
動くものを素早く正確につかみ取るためには、さまざまな要素を組み合わせて使う必要があります。

動く中で対象となるものを正確に探し認識する「画像センサー」、
認識したモノの動きや形状からロボットの動きを瞬時に計算する
「AI搭載コントローラー」、計算された動きを忠実に実行し素早く正確にモノをつかむ「ロボット」。
そして、つかみ取るものが動く間に「認識する」「計算する」「つかむ」という一連の動作を、
ものの動きに合わせて微修正を行う「統合制御」などです。

これらの要素を組み合わせ、競合他社に実現できない、動くものを素早く正確につかむ」を
実現できるのは、「ILOR+S」のラインナップと「センシング&コントロール+Think」を
高度に組み合わせるオムロンだからこそ可能なことです。

以上が、要素技術を高度に統合した例です。

このようにオムロンのコア技術「センシング&コントロール+Think」を進化させ、高度に統合して
いけば、機械が人の能力や創造性を引き出す「人と機械の融和」の世界の実現に近づきます。

オムロンは、「人と機械の融和」の実現に向け、機械がもっと人のことを深く理解する
技術の開発にも取り組んでいきます。

機械が人の能力や創造性を引き出す「人と機械の融和」の世界の実現には、
機械が人をもっと理解するプロセスが必要です。

機械が人をもっと深く理解する技術を開発するために、オムロンは脳科学の世界的パイオニアである
理化学研究所と6月1日から共同研究を開始しました。共同研究では、オムロンのコア技術
「センシング&コントロール+Think」と、理研が培ってきた世界最先端の脳科学や脳科学から
アプローチしたAIに関する知見を掛け合わせることで、人の深層心理や行動原理を理解した
「人と機械の融和」を実現する技術の創造に挑みます。

具体的には、人の状態を理解するセンシング技術、個々人の状態や特性に合わせて人への
フィードバックや機械を最適に制御する技術の実現に向けて、人の状態や行動を司る
「脳」を中心に、「体調」「認知」といった「身体の状態」と、「感情」や「意志」といった
「心の状態」の二つの観点での研究を行います。

オムロンは、「ファクトリーオートメーション」「ヘルスケア」、
「モビリティ」、「エネルギーマネージメント」の分野で実績と
ユニークなポジションを築いています。
ヘルスケアで蓄積した唯一無二のデータや、IoTセンサーとAI搭載コントローラで得た生産現場の
リアルデータなど知見や現場データなどをベースにコア技術「センシング&コントロール+Think」を
さらに鍛えます。

具体的には、AIやロボティクス分野での第一人者との共同研究の
拡大や、東京と西海岸の開発拠点の開設、そして現場課題とデータをお客様と作りだす
フロント機能の強化、を行います。
また「人と機械の融和」に向けて科学分野との連携も進めてまいります。

オムロンは「人と機械」のよりよい関係を実現すべく、加速度的に進化する技術を取り込み
「センシング&コントロール+Think」技術を強化し、事業を通して社会課題を解決する
商品・サービスを提供していきます。

それでは、最後に再び山田からお話しいたします。

それでは、改めて私から中期経営計画の定量的な数値をご説明します。
「VG2.0」においても6つの経営指標を設定し、収益を伴った
企業成長を実現します。  本日ご説明した方針、戦略を実行する
ことで、 VG2020で掲げた売上高 1兆円を目指します。

今後も売上総利益率をドライバーに成長投資の原資を獲得し、この4年間で成長を確かにする
投資を継続します。
積極的な投資を続ける中でも、ROIC、そしてROEはそれぞれ 10%以上を確保していきます。

次に事業セグメント別の目標です。
「ファクトリーオートメーション」、「ヘルスケア」領域で、飛躍的な成長を実現します。

制御機器事業は年率 10%で事業成長させ、全社の売上高構成の約半分を占める
4,800億円まで事業を拡大させます。

ヘルスケア事業も年率 10%の高水準で伸ばしていきます。

「VG2.0」達成に向け、飛躍的な成長を実現させていくために、
「ファクトリーオートメーション」「ヘルスケア」そして、
「技術革新」に焦点を絞り、引き続き投資を継続して参ります。

成長投資1,000~2,000億円は、「ファクトリーオートメーション」や
「ヘルスケア」領域での更なる成長をとげる為にM&Aやアライアンスを
積極的に検討し、商品力強化だけでなく新たなビジネスモデルの構築に
必要な技術やサービスの獲得を目指します。

研究開発費2,700億円は、理研との共同研究開発のようにAI技術を中心とした研究開発に
積極的に投資します。
また、AI技術開発の拠点を東京や米国西海岸に設置する計画も進めております。

設備投資1,600億円については、働き方改革を見据えた業務プロセス
改革をバックアップするITインフラの強化や、FA領域の顧客との技術交流を促進する
オートメーションセンタなどの強化を進めていきます。
また、他社に負けない優位性を築くために、2020年までに1,000人規模での中途採用を
計画しています。
AI技術者だけではなく、営業などのフロントも強化し、顧客の課題解決の質と
量の両面を一層強化していきます。 
AI人財の獲得に向けては、独自の処遇も検討しています。

以上のように、投資を継続的に行うことで、「VG2.0」の達成およびその先を見据えた
成長を確実なものとしてまいります。

ここで最後に、4月にドイツで開催されたハノーバーメッセに
出展した際の動画をご紹介させていただきます。
<動画:約2分>

 

本日はご清聴、ありがとうございました。

2020年に向けたオムロンの挑戦

2011年に公表した10年間の長期ビジョン
「Value Generation 2020(VG2020)」で
オムロンは「質量兼備の地球価値創造企業」を目指しています。

2017年度からは、「VG2020」の達成に向けた
最終の中期経営計画がはじまりました。
オムロンは、世界各地で、従来とは異なる次元で
変化していく社会から生まれる
社会的課題を解決していくため、
この中期経営計画を「VG2.0」と名付けました。

innovation

オムロンのコア技術「センシング&コントロール+Think」を軸とした技術の進化を起点に、
お客様、パートナー様とも連結することで、イノベーションを創造し、
社会的課題の解決を通じた、更なる成長を実現してまいります。

オムロンの中期経営計画 VG2.0

感じる。考える。制御する。人と地球の明日のために。

オムロンが目指すのは、人と地球の「いま」を「明日」に最適化していく企業。
これからもセンシング&コントロール技術で、持続可能な地球と社会の実現の為、
質量兼備の地球価値創造企業を目指します。

VG2.0で目指す姿

~質量兼備の地球価値創造企業~

売上高(2020年度)
1兆円
営業利益(2020年度)
1,000億円

全社方針

技術の進化を起点に、イノベーションを創造し、
自走的成長を実現

オムロンは技術革新で自らのコア技術を進化させ、
社会的課題を解決していきます。
事業を通じて地球価値を創造し、
そしてオムロンも成長します。

基本戦略

基本戦略

  • オムロンは、潜在的な顧客の課題や要望を見極め、それをビジネス機会につなげるために他社に先駆けて必要な技術を開発し、事業化を狙っていく、顧客を起点とした「技術経営」を実践します。
  • オムロンは、多様な人財が活発に意見を交わし、連結することで新たな化学反応を起こし、楽しみながらイノベーションを創造する「人」「組織」「風土」「環境」を強化します。
  • オムロンは、イノベーションの創造を加速させる
    運営・機能を強化します。

成長分野で生み出す地球価値

「ソーシャルニーズの創造」は、オムロンの企業理念のひとつ。
オムロンでは、社会の変化を深く捉え、今後顕在化する新たなソーシャルニーズを予測して、
今後注力していく4つの領域を設定しました。
この領域での事業と、それを支え、実現するための事業活動全体を通じて、
わたしたちは、国連で採択された2030年までに解決すべき国際社会の課題である
SDGs(Sustainable Development Goals)に貢献していきます。
より良い地球をこれからの世代に残すため、オムロンはイノベーションで社会的課題を解決していきます。

SDGs

オムロンは企業理念に基づき、これからも社会的課題解決企業であり続けるため、
サステナビリティへの取り組みをVG2.0に組み込みました。
私たちは、サステナビリティ目標の達成を通じて社会的価値を創出し、企業価値の向上につなげていきます。