視覚センサ(画像処理検査装置)
- 製品特長
- 微妙な色の違いや光沢物のキズまで判別できる視覚センサ
微妙な色の違いや光沢物のキズまで
判別できる視覚センサ
生産現場では不良品の流出を未然に防ぐために、視覚センサによる部品の検査・計測が行われています。視覚センサは、主に、検査対象物をとらえる(撮像する)ためのカメラと、そこから得た画像を処理するコントローラで構成されています。カメラがとらえる画像情報から、対象物の個数、位置関係、形状といった特徴を計測し、良品・不良品を判定したり、計測したデータをロボットなど他の生産機器に出力します。例えば、TVや携帯電話に使われる微小な電子部品の電極汚れ検査では、1分間に数千個の部品を検査することができます。また、携帯電話の操作部のキズ、汚れや印刷状態なども検査が可能です。

視覚センサFZ3は、2006年1月にオムロンが開発した“リアルカラーセンシング技術”を搭載し、世界で初めて1,677万色のカラー画像による処理を実現した製品です。従来のモノクロ方式の画像処理と比べると識別能力は約65,000倍。モノクロ方式では見逃していた微妙な色の違いを識別し、欠陥や検査対象物を高精度に検出することが可能となりました。さらに、“ハイダイナミックレンジ画像処理技術”を応用し、検査装置として初めて実用化。自動車のエンジン構成部品やリチウムイオン2次電池の外観検査など、視覚センサが最も苦手とする金属など光沢がある部品の表面でも鮮明に画像をとらえ、確実な計測や良否判定を実現しました。

リアルカラーセンシング技術とハイダイナミックレンジ画像処理技術を搭載したオムロンの視覚センサFZ3は、これまで検査が困難とされてきた対象物にまで検査範囲を拡大し、製品の品質向上や生産の自動化にさらに貢献していきます。
技術情報:リアルカラーセンシング技術
リアルカラーセンシング技術でモノクロと比べ約65,000倍の識別能力を実現
生産現場での視覚センサによる検査では、画像を用いて部品の寸法計測や品質を検査するため、一般的なデジタルカメラでの撮影よりも正確かつ高速な画像処理が要求されます。 そのため、生産現場では情報量の少ないモノクロ画像を処理する方法が一般的とされており、カラーカメラが普及しても、とらえたカラー画像をあえてコントローラでモノクロ情報に変換し、画像処理が行われていました。しかし、この方法では対象物を白から黒までのモノクロ256階調でしか表現できません。例えば、青色の検査対象物の上に紺色の汚れやキズがある場合、目で見れば不良と判断できても、モノクロ画像処理では明暗差(コントラスト)が少ないため識別ができず、不良品を見逃すこともあったのです。
オムロンは、モノクロでの画像処理に限界と課題を感じ、全く新しいカラーによる画像処理のアルゴリズムを一から作り上げました。それがリアルカラーセンシング技術です。カラー画像を赤・緑・青の各256階調、合計1677万色の色成分に分解し、それぞれの階調差を元に色の違いを定義。その定義を用いて画像パターンの類似度や画像の変化点を検出するアルゴリズムを開発しました。その識別能力は、白から黒の濃淡値256階調で識別していたモノクロ画像処理と比べて約65,000倍になります。
これにより、従来は不可能だった微妙な色差の検査をモノクロと同程度の処理スピードで高精度に行えます。

今後、リアルカラーセンシング技術と様々な画像処理技術を組み合わせ、検出能力を高めていくことで、今まで人の目でしか検査できなかった製品検査の自動化を拡大していきます。
技術情報:ハイダイナミックレンジ画像処理技術
明暗の撮像領域を従来比5,000倍に広げたハイダイナミックレンジ画像処理技術
画像処理による検査精度を保つには“いかに鮮明な画像を安定的にとらえられるか”が鍵となります。リアルカラーセンシング技術により、ほとんどの対象物は高精度に検査できるようになりましたが、金属など光沢のある対象物の表面を検査することは依然として課題がありました。金属表面は、光の反射率が高いために、明るすぎると対象物をとらえた画像がハレーションを起こし色が白く飛んでしまいます。一方、暗すぎると黒くつぶれてしまい、鮮明な画像を安定的にとらえることが困難でした。昼夜の照明変動など、わずかな外乱光でも影響を受けてしまうため、現場では対象物に照射する照明の種類や角度を工夫することに相当な時間を費やしていたのです。
そこで、オムロンは、外部の照明環境による光の影響を受けずに検査に最適な画像を安定して取得できる方法を検討しました。そして、複数枚の画像を高速合成し1枚の鮮明な画像をつくることができるハイダイナミックレンジ画像処理技術を視覚センサFZ3に搭載。生産現場での使用を初めて可能にしました。
ハイダイナミックレンジ画像処理技術は、シャッタースピードを自動的に変更しながら明るさの異なる複数枚の画像を撮影し、同時に、適正・不適正な部分を自動的に取捨選択して、複数枚の画像を高速に合成することで、ダイナミックレンジの広い1枚の画像をつくります。この技術により生産現場に用いる一般的なカメラの明暗比率にして、5,000倍にまでダイナミックレンジを拡大することができました。さらに、検査用途に適した画像生成処理を高速で行うアルゴリズムを開発したことで、小型部品の金属表面だけでなく、照明を均一に当てることが困難な大型部品でも、鮮明な検査画像を生成することが可能となりました。
ハイダイナミックレンジ画像処理技術で、長年の課題であった光の影響を排除し、高度な照明に関する専門知識を必要とせず、誰でも安定した画像で検査が実施できるようになったことで、従来困難だった検査範を拡大することができました。今後この技術を進化させ、生産現場の課題解決をさらに加速していきます。