OMRON

人を理解し、自ら考え動く機械たち

誰でも、どこでも、
何でもつくれる。
これがオムロンの考える
ものづくりのあるべき姿。

ものづくり

MANUFACTURING

技術・知財本部
知能システム研究開発センタ
技術専⾨職博⼠(情報科学)

井尻善久

かつてのショッピングは、限られた商品の中から好みを吟味しつつ妥協しながらモノを選ぶというものでした。
しかし、人々の価値観が個別化する未来では、機能はもちろん、形、色、素材のどれもが自分にぴったりに組み合わせの
一品にめぐり合うことが楽しみであり、一人ひとりが自分らしいアイテムや空間に囲まれてこその豊かな生活。
それを叶えるのが、多様なニーズに柔軟に臨機応変に合わせられるものづくりです。
まるで、初めて使う人でもすぐに操作が感覚で分かるスマートフォンのように、世界のさまざまな場所で働く誰もが、危なげなく、
良質な商品を思った通りに作ることができる未来のために、ものづくりの現場にイノベーションを起こしています。

誰でも使えるスマホのような
工場を作りたい

誰でも使えるスマホのような工場を作りたい

今、人々の価値観は大きく変化しています。他人と同質的な価値を求める大量生産大量消費の“モノ重視”から、自分の好みやニーズに合った自分だけの価値を得られる経験に求める“コト重視”への流れは、世界的なものになっています。この流れは加速するばかり。

では、多種多様なニーズにマッチする製品を生み出す理想の工場とは?ものづくりの現場の生産性を研究するオムロンのスペシャリストである井尻善久は、「超生産性」と「超柔軟性」を備えた工場だとし、それをスマートフォンに例えます。

いつでも、どこでも、誰でも、何でも作れる究極のものづくりの現場として、工場がスマートフォンのような存在になるのが理想

いつでも、どこでも、誰でも、何でも作れる究極のものづくりの現場として、工場がスマートフォンのような存在になるのが理想

「分厚いマニュアルを読まなくても、誰でもすぐに簡単に使いこなせるスマートフォン。工場も製造業におけるスマートフォンのような存在になって、言語や仕事の習熟度に頼らなくてもいつでもどこでも何でもつくれるようになることが理想です」

最近の製造業は、多様なニーズに応えられるよう、生産を世界各国で同時に立ち上げ、ローカルの生活文化と一体となった地産地消を重視するのがトレンドとなっています。しかし、工場の生産設備や、生産設備を動かすために構成されるセンサーやコントローラといった制御部品は、メーカーによって規格や仕様が全く異なっており、また、多言語対応にも限界があるため、同じ品目をつくる工場を他の国に建設することは簡単ではありません。生産設備を正しく扱えるスキルのある人財を探し、トレーニングを受けてもらい、ときにはマニュアルなどをすべて翻訳する必要もあります。

ロボットが自分で考えて動く“機械の自律化”という
イノベーションを、ものづくりの現場でも起こす

ロボットが自分で考えて動く“機械の自律化”というイノベーションを、ものづくりの現場でも起こす

井尻の語る“スマートフォンのような工場”というコンセプトは、世界中で人間のスキルに頼らずに人々のニーズに応えるものづくりを可能にする画期的なこと。ものづくりをできるだけ機械に任せることで、人間はよりクリエイティブな仕事に力を入れられるのです。もちろん、そのためには超えなければいけない壁はいくつもあります。

ロボットにすべてを教え込まなくても、ロボットが自分で考えて目的に向かって動いてくれる“機械の自律化”が、今後のものづくりのカギとなる

ロボットにすべてを教え込まなくても、ロボットが自分で考えて目的に向かって動いてくれる“機械の自律化”が、今後のものづくりのカギとなる

「現代の工場では、人のスキルや経験に頼らないものづくりを実現しようとすればするほど、機械を動かすための専用のプログラムを設定する労力が膨大になり、専門的知識と経験を持つエンジニアが必要となっています。

こうした現代の生産ラインは、ものづくりがスタートすれば効率的に生産してくれますが、機械に設定されているプログラミングが高度かつ複雑であるため、機械が安定して生産できるまでの準備に非常に時間がかかります。それだけでなく、生産する製品の種類の変更や、機械にトラブルが生じると、調整にもまた時間がかかってしまいます。

この機械を調整する“つくり込み”と言われる作業が、ものづくりを誰にとっても簡単にする、大きな障壁になっているのです。未来のものづくりには、つくり込み要素を減らすイノベーションが絶対条件です。

機械に1から10まですべてを教えなくても、機械がある程度自分で考えてやってくれるようなってほしい。カギはずばり“機械の自律化”です」
人間はロボットに目的だけを伝えれば、あとはロボットがその目的を達成するためになんとかしてくれる。これが自律化の理想形。

人間がロボットに教えることが、「具体的にどのように作業するのか?(HOW)」から、「どんな目的の作業をするのか?(WHAT)」で済むようになれば、生産ラインのつくり込み要素は劇的に少なくなる。

「オムロンが長年にわたって制御機器・FAシステム事業で蓄積したライン制御の実績や画像解析などで磨いてきたAI技術を活かし、HOWの教示からWHATの教示への進化に取り組んでいます。

さらに、各ロボットを制御するコントローラとコントローラをつなぎ、ロボット同士が連携し、人間と協調しながらものづくりする工場を目指しています。そのために、工場を上空の高度高いところから俯瞰するだけでなく、ロボットとコントローラをよく理解できるラインからの高度10m程度からの視点を大切にしながら、『センシング&コントロール』に人間の知恵を加えた『+Think』で工場を見つめています」

生産ライン自身が機械や周囲の状況、
働くスタッフを理解してくれるようにしたい

生産ライン自身が機械や周囲の状況、働くスタッフを理解してくれるようにしたい

現在、オムロン自身も自社工場で未来のものづくりに取り組んでいます。オムロンのコントローラを生産する主力生産拠点である草津工場では、他社技術との融合から、今まで見えなかったプリント基板工程をデータ化することでライン状況を見える化し、生産性30%アップに成功しました。

さらに、ものづくりを構成する4大要素と言われ、これらの変動が生産の効率や製品の品質を左右するとも言われる、人(Man)・機械(Machine)・材料(Material)・方法(Method)を的確にセンシングする「4Mセンシング」技術からものづくりを的確にコントロールし、突発的なトラブルで「止まらない工場」というイノベーションを起こそうとしています。

「4Mセンシング」が、人が気づかないことも見つけだし、事前に手を打てる

「4Mセンシング」が、人が気づかないリスクも見つけだし、事前に手を打てる

「生産ラインになんらかの異常が発生すると、問題の個所を突き止め、修理するために多くの時間を要しますが、その根本的な原因は、グリースが不足していたなど、ごく些細なことだったりします。

AI技術を加えた『4Mセンシング』技術が確立すれば、こうした単純な原因だけでなく、熟練した技術者でも察知できないような要因発生の予兆を教えてくれます。例えば、機械の振動パターンや表面温度の変化から特定部品の交換時期を推定し、アラートを出してくれる。また、働くスタッフの動作や健康データから体調悪化の予兆をいち早く察知し、ライン管理者に即座に知らせる。

『4Mセンシング』は機械の自律化を支え、機械と人間が同じ環境で円滑に作業するためにベースとなる技術。

複数の機械を統括する生産ライン自身が、個々の機械や周囲の状況を把握し、人間を理解しながら安全かつ安定した生産ができるように取り組んでいきます」

匠の知見が機械に取り込まれ、その技を機械が再現できれば、機械の自律化への道のりは格段に進んでくる。

そして、人は創造力を活かして、人々をもっとワクワクさせる革新的な製品とその製品を生み出す新たなものづくりのプロセスにチャレンジすることで、世界は驚きに満ちた体験の連続でワクワクする毎日へ。

そんな人生が当たり前になる未来を見据え、イノベーションを起こそうとするパートナーの方々と共に、今日もオムロンはものづくり現場で奮闘しています。

誰でも、どこでも、何でもつくれる、究極のものづくりを、これからもわたしたちは追求していきます。

ものづくりに関するお問い合わせ先は
こちら