会長メッセージ
社会と企業の持続的発展を目指しています

「企業は社会の公器である」という基本理念のもと、企業活動を進めておりますオムロングループ全員を代表しまして、すべてのステークホルダーの皆さまの日頃のご愛顧・ご支援・ご協力に対し、心から感謝申し上げます。
米国の金融危機に端を発した世界同時不況の中、オムロングループもまた、事業展開において現在非常に苦しい取り組みを余儀なくされております。現在私をはじめ、経営および執行にあたるすべての者が、今回の世界同時不況を、単なる「他責」によるものと捉えるのではなく、この状況を「自らを省みることによって、さらに自らを強めてゆく好機」と捉え、リバイバル(復活、再生)に向けた大胆な構造改革を進めているところです。
当社グループでは、従来「CSR行動ガイドライン」の中に「適正な納税・会計処理、投資活動」に関する項目を定め、厳に投機的な行為を禁止して参りました。今回の金融危機に至る一連の「バブル」に関しても、当社グループでは、製造業としてのあるべき道を踏み外すことはなかったと確信しております。
しかしながら、「企業は社会の公器である」を基本理念に掲げる当社グループは、自分たちの活動を省みて、「社会のニーズに本当にお応えできていたか?」「製品・サービスを世に送り出すにあたって本当に無駄はなかったか?」と自らに問う時、改めるべき部分もなかったとは言えないと思います。「社会の公器」である以上「公の利益を最大化する」ことこそが、自分たちにとっての「利益の最大化」につながると、私は平素から考えております。そうした意味において、現在の業績の低迷は、社会から私どもに対して発せられたイエローカードでもある、と真摯に受け止めております。
現下の情勢から見て、世界同時不況がいつ底を打ち、この「引き潮」がいつ「上げ潮」に変わるかは、神ならぬ何者にも予測はできません。しかし、少なくとも潮目が変わった時に、速やかに世の中に貢献していけるような「構え」を整えることこそが、今この時期にあってもっとも重要であると思います。その意味から、私どもがCSRの本質と考える「ソーシャルニーズの創造」すなわち、環境、資源・エネルギー、安心・安全、健康、食糧といった分野において、社会が潜在的に抱えるニーズをいち早く捉え、製品・サービスの形にしてお応えしていくための「構え」づくりを、積極的に進めていこうと考えております。
本報告書では、注力している取り組みのひとつとして「CO2削減ソリューション事業」を紹介しておりますが、今という時代を、オムロンでは「サイバネティクス」から「バイオネティクス」へと技術が進化し、「工業社会」が「持続可能社会」へと発展していく、大きな変化の中にあると捉えています。その大変化の中で、オムロングループは、「資源・エネルギーの節約・代替」や「生態系の保護・生物資源の活用」といった「環境対応経済」に即応するための準備を進めていきたいと考えております。
また、このような新たな時代への対応にあたっては、「自らの力だけで、すべての社会的責任(CSR)を果たせる」といった思い上がりを捨て、多くのステークホルダーの皆さまとの交わりの中でCSRに取り組んでいくことが肝要です。私どもが事業を展開するすべての地域において、地域全体での総合的な取り組みを進める、いわば「地域の皆さまとともに担う社会的責任(SR)」を実現すべく、今後も努力を続けていこうと考えております。
世の中は今、グローバル規模での大転換期のまっ只中にあります。オムロングループ全員が、グローバルな各地域の人々とともに手を携え、来るべき「上げ潮」に備えて、常にチャレンジ精神を発揮していく高い志を持ち、目線を高く上げて万全の「構え」づくりをしていく──そのような2009年度にしたいと、私は考えております。
今後とも、社会と企業の持続的発展に向けた私どもの姿勢について、全世界すべてのステークホルダーの皆さまの、一層のご理解を賜りますよう、心からお願い申し上げます。
2009年6月
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